税務争訟における不服申立前置主義

2013年1月25日 更新

課税処分取消訴訟の場合,処分に不服のある納税者は,裁判所に訴訟を提起する前に,課税庁に対する異議申立て及び国税不服審判所に対して審査請求を提起しなければならない(通則法115条1項)。これを、不服申立前置主義という。

したがって,課税庁の処分に不服のある者は,当該処分の取消しを求める取消訴訟を提起する前に,原則として異議申立と審査請求の2段階の不服申立手続きを行わなわなければならない。

課税処分は多くの場合,税務署長が行うので.通常は,税務署長に対して異議申立てが行われる。ただし国税局や国税庁の職貞が調査を行い,それに基づいて税務署長が課税処分をした場合には,税務署長ではなく,国税局長又は国税庁長官に対して異議申立てをする。

不服申立前置主義には例外があり,異議申立て(国税庁長官に対するものに限る)または審査請求がされた日の翌日から起算して3月を経過しても決定または裁決がないとき(通則法115条1項1号)等には、決定または裁決を経ることなく直ちに裁判所に出訴することができる。

不服申立前置主義を採用した根拠は、裁判所の負担を軽減すること、および、租税事件は専門的、技術的であるため、まず、行政段階で十分な審理を行い争点を整理する必要があること、の二つの理由によるとされる(金子宏「租税法」第15版805頁)。

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