非課税所得(資力喪失の場合の強制換価手続による資産の譲渡による所得)

2012年10月28日 更新

所得税法9条1項10号は,資力を喪失して債務を弁済することが著しく困難である場合における強制換価手続による資産の譲渡による所得については,所得税を課さない旨定めています。そして,所得税法施行令26条において,その他これに類するものとして,資力を喪失して債務を弁済することが著しく困難であり, かつ,強制換価手続の執行が避けられないと認められる場合における資産の譲渡による所得で,その譲渡にかかる対価が当該債務の弁済に充てられたものも非課税とする旨を定めています。以上は、次の2類型に分類できます。

1.強制換価手続による場合

この場合の要件は、

①資力を喪失して債務を弁済することが著しく困難である

②強制換価手続が執行されたこと

の二つです。本人の意思に奉づかない強制的な譲渡であるような場合には実際問題として課税するのが困難であること等の観点から設けられた規定である ことからすれば,「資力を喪失して債務を弁済することが著しく困難」の意義についても,資産の所有者がその資産全部を充てても全ての債務を弁済し得ないほ どに資産状況が悪化(すなわち債務超過)した結果,強制換価により資産の譲渡が行われるに至ったことを要すると考えられます。

2.任意売却による場合

この場合の要件は、

①資力を喪失して債務を弁済することが著しく困難である

②かつ、強制換価手続の執行が避けられないと認められる場合

③その譲渡に係る対価がその債務の弁済に充てられたこと

の三つです。この場合は、債務超過であることのほかに、保証機関が代位弁済をしたことや債権者が競売手続きに着手しつつあることなど強制換価手続きの執行が避けられないと認められる状況であること、かつ、売却代金の全額を債務弁済に充てることが必要です。

(注)強制換価手続とは、滞納処分(その例による処分を含む。),強制執行,担保権の実行としての競売,企業担保権の実行手続及び破産手続をいいます。

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