役員給与課税について(品川先生第8回講義要約その1)

2012年2月10日 更新

平成18年度の税制改正において、役員給与課税制度 が大幅に改正されたが、従前以上の問題を抱え込むこととなり、実務上の混乱を招くこととなった。改正法は、会社法上の役員報酬等に関する自主的な規制を全 く無視し、損金算入の対象となる役員給与を税法の上で定義付け、その支給方法まで細かく規制している。これは、法人税法上の課税所得を商事上の利益計算を 前提として算定するという基本的な考え方に反している。

改正後の34条は、基本的には役員給与の損金性を否定しているように解される。37条の「寄付金の損金不算入」のように本質的にその損金性に問題を有している寄付金などと、本質的に損金性を有している役員給与を同列に論じているのであるが、これは問題である。

さらに、業績連動型報酬制度は、元来、経営者の経営手腕の発揮が即企業の成果に結びつくような中小企業にこそその必要が求められているにもかかわらず、法人税法上の利益連動給与はそのことを全く無視している。

34条のような規制方法は、租税法の基本原理(租税法律主義)や租税原則の見地から多くの問題が指摘されるところである。

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