航空機リース事件(品川先生第7回講義要約その1)

2012年2月10日 更新

本件は、民法上の組合が行った航空機リース事業につ き、出資者の不動産所得(損失)と他の所得との損益通算を否認した課税処分の適否が争われたものである。名古屋高裁は、租税法上用いられている概念はまず 私法によって解釈されなければならないとし、租税回避の否認については租税法律主義の観点からこれを許容する法律上の根拠が必要であるとし、本件組合契約 は、民法上の組合契約の成立要件を充足しており、課税庁が主張するような利益配当契約と認めることはできない旨判示し、本件課税処分を違法であると判断し た。

本判決は、「行為計算の否認規定」について「創設的規定説」を採用し、航空機リースによる節税スキームを合法と判断したが、これは妥当な判決である。なお、平成17年改正において本件のような節税スキームを封じる個別否認規定が設けられた。

近時、非同族会社や高額所得者による巧妙かつ巨額な節税スキームが増加しており、国税通則法に一般否認規定を創設することも一法ではないか。

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