所得税額控除等の記載誤りを事由とする更正の請求(品川先生第5回講義要約その2)

2012年2月10日 更新

最高裁平成21年7月10日判決について

本件は、所得税額控除及び外国税額控除について計算誤り等によって法人税が過大であったとして、通則法23条1項の更正の請求が行われ、その可否が争われたものである。

最 高裁は、「本件更正請求は、所得税額控除の適用を受ける範囲を追加的に拡張する趣旨のものではないから、これが法人税法68条3項の趣旨に反するというこ とはできず、上告人が本件確定申告において控除を受ける所得税額を過少に記載したため法人税額を過大に申告したことが、国税通則法23条1項1号所定の要 件に該当することも明らかである。」と判示し、更正の請求を認めるべきとした。

法人税法68条3項と通則法23条1項1号の各規定の文言か らすれば、更正の請求ができないとも解される(少なくとも課税実務ではそう解されていた)が、最高裁は、「当該金額として記載された金額」を法令に基づき 正当に計算される金額であるとし、正当に計算される金額に計算誤りがあったから、本件更正の請求は適法であるとした。

なお、外国税額控除については、本件確定申告の段階で当初は控除の対象にしていなかったことから、更正の請求は認められないとした。

疑問の残る判決ではある。

品川芳宣先生の講義録一覧ページに戻る